Story
豊かな四季と、豊かな恵みの大地、十勝で ──。
柳月は、昭和22年(1947)、北海道十勝、帯広に誕生しました。
戦後間もないこの頃、人々は心にも味覚にも潤いを求める時代でした。
柳月が創業した十勝・帯広は、その当時でも、60軒を越えるお菓子の名店が軒を連ねる激戦区。いかに甘いものに飢えた時代と言えども、これだけの名店と舌の肥えた市民を納得させる商いをするのは至難の技でした。
▲創業当時の「柳月」
▲柳月の代表銘菓「三方六」
しかし、創業時、3人でアイスキャンディの製造、行商から始めた柳月は、やがてその味と商いの姿勢が評判となり、常連のお客様や町の人々に受け入れられていきました。
やがて、お客様の要望にお応えするために饅頭を作り始め、試行錯誤の繰り返しの中、洋菓子、柳月オリジナルの和洋折衷菓子と発展していきました。
中でも、昭和43年に全国菓子大博覧会に出品された、白樺の薪を模したバウムクーヘン「三方六」は、その独創性、味、そして北海道の歴史との関わりを含めて、高い評価を受ける逸品となりました。「三方六」は、三方、六寸の薪の形状を再現したユニークな形だけではなく、その食感においても、日本人の嗜好を追求した初めてのバウムクーヘンとして評価をいただき、しっとり系バウムクーヘンの元祖とも言われています。この「三方六」は、昭和63年第27回「モンドセレクション」最高金賞も受賞し、世界にも評価をいただいたお菓子となりました。
「三方六」は、発売から五十余年を経た現在も柳月のロングセラーとして愛され続け、しょこら、メープルなどの姉妹品も発売されています。
戦後間もなくアイスキャンディ、一品から商いを始めさせていただいた柳月も、おかげさまで七十有余年。現在、年間300種類を超えるお菓子をつくる専門店に成長させていただいております。
古くから続く定番菓子は基より、毎年生み出されるユニークな新作菓子を含めて、そのバリエーションをぜひ、お楽しみください。
豊かな四季と、豊かな恵みの大地で ──。
私たちは、今日も、お菓子を作り続けています。
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